平成30年度(2018) 開講概要
映像, メディア , コンピュータ・グラフィックス・デザイン, 建築設計など, 理系文系を問わず技術とコンテンツの両方に何らかの関わりがある, さまざまな分野でご活躍の方々から , オムニバス形式でお話をうかがう.
外部講師(廣瀬・新山・鳴海以外)への質問
外部講師の略歴・講演題目などをもとに, 当日聞いてみたい質問を下記アドレスに送信すること.
mail: narumi(at)cyber.t.u-tokyo.ac.jp
受付期間:各回, 一週間前の15:00から該当週の月曜日24:00まで
メールの件名を「技術とコンテンツ 学生証番号 学生氏名」とすること.
評価方法
全13回の講義中, 半数以上(7回以上)出席した者を有資格者として, レポートで評価を行なう.あらかじめ外部講師に対する(有意義な)質問をメールで提出した受講者には内容・回数に応じて相応の加点を与える.レポートの締切,内容についてはオムニバス最終回にて告知する.
担当
- 廣瀬 通孝 教授(情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)
- 新山 龍馬 講師(情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)
- 鳴海 拓志 講師(情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)
日時・場所
- 平成30年度 [S1S2] 水曜日 3限(13:00-14:45)
工学部2号館3階 233講義室
→教室変更になりました.
工学部2号館1階 212講義室
日程・講師
第1回 4月 11日(水) |
廣瀬 通孝 東京大学大学院情報理工学系研究科 教授 |
「技術とコンテンツ」 講義全体の概要と,技術とコンテンツの関係性について講義をおこなう. |
第2回 4月 18日(水) |
AC部 クリエイティブチーム |
「本気度メーターと違和感ペダル」 ものづくりはジャンル問わず, どれだけ本気度を高められるかが制作物の質を決める, ということをAC部の過去の事例を紹介しながらお伝えします. 高速紙芝居の実演もあるよ. 略歴:1999年頃に結成されたクリエイティブチーム「AC部」は多摩美術大学時代に制作した「ユーロボーイズ」がNHKデジタルスタジアム年間グランプリを受賞したのをきっかけに本格的に活動を開始した. 暑苦しいリアルなイラストレーションをベースにした濃厚でハイテンションな表現を持ち味とし, テレビ, CM, PV, webなど, 様々な場所にインパクトのあるビジュアルを植え付ける. |
第3回 4月 25日(水) |
Gerald Assayag IRCAM Head of IRCAM Research Lab ≪Sciences and Technologies of Music and Sound ≫ |
"Symbolic Interaction with Creative Agents" Creative Symbolic Interaction brings indeed together both the advantages one can get from the worlds of real-time signal computing, and from intelligent, content-level analysis and processing, in order to enhance and humanize man-machine communication. Performers improvising along with Symbolic Interaction systems experiment a unique artistic situation where they interact with a musical agent which develops itself in its own ways while keeping in style with the user. It aims at defining a new artificial creativity paradigm in computer music, and extends to other fields as well : The idea to bring together composition and improvisation through modeling cognitive structures and processes is a general idea that makes sense in many artistic and non-artistic domains. It corresponds to a decision-making paradigm where a possible strategy consists in weaving decisions step after step, by relating to an overall structural determinism, by listening closely to oneself or to the external environment, or by jumping in an “improvized” way and generate surprises. This kind of “improvisation” strategy is observed in the living world, and might be one aspect of intelligence as a way to cope effectively with the unknow ; it may well serve as a productive model for artificial music creativity. |
第4回 5月 2日(水) |
木村 匡孝 株式会社TASKO 設計制作事業部 工場長 |
「空想と技術」 脳内のイメージである「空想」と現実世界の制約のなかで行われる「技術」はものを作りあげていくなかでとても重要な要素ですが、それらは対極の関係でもあり、バランスをとりながら製作を行わなければなりません。両者を横断しながら製作を進めるTASKOのスタイルは次世代型ニューものづくり工場として高い評価をいただいております。本編ではTASKOのワークスタイル、デザインにおける思考を考察を交えて話します。 略歴:アートユニット明和電機のアシスタントワークを経て独立後、「東京KIMURA工場」を設立。エンジンやモータを用いたKIMURA式自走機シリーズをはじめとするいわゆるバカ機械や誰に頼んでいいかわからない機械の受注、生産を手がける。 2012 年より総合制作会社「TASKO inc.」の立ち上げに参加し設計制作部、工場長に就任。引き続きバカ機械や誰に頼んでいいかわからない機械の受注、 生産を行いつつ他ジャンルとのコラボレーション、テクニカルディレクションなど電気と機械にまつわる様々な業務を活動の舞台とする。 |
第5回 5月 9日(水) |
藤本 実 m plus plus CEO |
「研究者からライブパフォーマンスの世界へ」 ウェアラブル・エンタテインメントコンピューティングの研究者から、アーティストのドームツアーの演出に携わる会社の経営者に。研究者としての研究・予算獲得から、会社としての新規開発・助成金獲得へと変化しましたが、どのような変化があったか話したいと思います。 略歴:mplusplus株式会社代表取締役社長。博士(工学)、Lighting Choreographer。 2012年3月、神戸大学大学院において博士(工学)を取得。2013年8月、大学教員を退職しmplusplus株式会社を設立。自らがダンサーであると特徴を活かし、ライブパフォーマンスにおいて新しい表現を可能とするシステムを開発し演出を行う。LED、レーザー、ロボットなど多岐にわたる技術によって身体表現の拡張を実践している。 |
第6回 5月 16日(水) |
細尾 真孝 株式会社細尾 常務取締役・ディレクター |
「伝統産業をクリエイティブ産業に」 弊社では1200年の伝統を持つ西陣ならではの技術を応用し、西陣織を帯ではなくマテリアルとして国内外で展開しています。フィールドを拡大させたプロセスと背景についてお話します。 略歴:株式会社細尾 常務取締役。MITメディアラボ ディレクターズフェロー。 1978年、西陣織老舗 細尾家に生まれる。細尾家は元禄年間に織物業を創業。人間国宝作家作品や伝統的な技を駆使した和装品に取り組む。大学卒業後、音楽活動を経て、大手ジュエリーメーカーに入社。退社後フィレンッェに留学し、2008年に細尾に入社。西陣織の技術、素材をベースにしたテキスタイルを海外に向けて展開し、建築家、ピーター・マリノ氏のディオール、シャネルの店舗に使用されるなど、世界のトップメゾンをクライアントに持つ。また、アーティストとのコラボレーションも積極的に行う。 2012年より京都の伝統工芸を担う同世代の若手後継者によるプロジェクト「GO ON」を結成し、国内外で伝統工芸を広める活動を行う。2014年日経ビジネス誌「日本の主役100人」に選出。2016年、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ ディレクターズフェローに就任し、西陣織と最先端のテクノロジーの融合による革新的なテキスタイルの開発を行う。 |
第7回 5月 23日(水) |
内山 博子 女子美術大学 教授 |
「アートとテクノロジーの交差点」 アートはテクノロジーによって変化してきました。アートとテクノロジーが交差するところに面白さがあります。テクノロジーがアートに与えた影響や、アーティストがテクノロジーを活用してきた軌跡についてお話します。 略歴:女子美術大学卒業、筑波大学大学院芸術研究科修了。共著『コンピュータ・グラフィックス・アート』、CGアート作品をSIGGRAPH Art Gallery等に出品。CGによる復顔研究や肖像表現の研究、ARによるメディア表現の研究、ウェアラブルファッション等の共同研究をSIGGRAPHやACE、DIMEAなどの国際学会で発表。 |
第8回 6月 6日(水) |
シークレットゲスト ??? |
??? ??? |
第9回 6月 13日(水) |
新山 龍馬 東京大学大学院情報理工学系研究科 講師 |
「フューチャーロボット」二足歩行ロボットから、ソフトロボティクスの新しい動向まで、ロボット研究の現状と未来を解説する。これからのロボティクスにつながるヒントとして取り上げるのは、人工筋肉で動くロボット、印刷できるロボット、やわらかいロボットなどである。また、研究者になる方法、大学教員とはどういう職業なのかについても触れる。 略歴:ロボット研究者。東京大学大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 講師。東京大学工学部を卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了、博士号取得。渡米し、マサチューセッツ工科大学(MIT)にて研究員(コンピュータ科学・人工知能研究所、メディアラボ、機械工学科)を経て、2014年より現職。専門は、身体に根ざした知能、人工筋肉で動作する生物規範ロボット、およびやわらかい材料を使ったソフトロボティクス。 |
第10回 6月 20日(水) |
長谷川 愛 アーティスト |
「あなたは何を望みたいのか?」 漫画からCGアニメーション、メディア・アート、スペキュラティブ・デザイン、バイオ・アートといった分野を放浪してきた自分の視点を通じて簡単に、過去影響を受けた作品や最近のテクノロジー関連のアートやデザイン、自作品の話をしようと思います。 略歴:アーティスト、デザイナー。バイオアートやスペキュラティブ・デザイン、デザイン・フィクション等の手法によって、テクノロジーと人が関わる問題にコンセプトを置いた作品が多い。 IAMAS卒業後渡英。2012年英国Royal College of ArtにてMA修士取得。2014年から2016年秋までMIT Media Labにて研究員、MS修士取得。2017年4月から東京大学 特任研究員。「(不)可能な子供/(im)possible baby」が第19回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞。森美術館、アルスエレクトロニカ等、国内外で多数展示。 |
第11回 6月 27日(水) |
北田 能士 株式会社フレイム,株式会社冬寂 取締役,代表取締役 |
「3DCG映像と制作技術」 映像制作現場では、時に「時間の壁」を超えることを要求される。そのためにどんな経験と技術が役に立ったのか、どんな工夫をして乗り切ってきたのか、実際に使用した映像素材を元に解説をする。 略歴:3DCGプロデューサー、ディレクター。フリーランスのデザイナーとして活動したあと、2003年に大林謙と3DCGに特化した映像制作会社、株式会社フレイムを設立。以降、アーケード、コンシューマーからソーシャルまで多数のゲームのCG制作に関わる。2013年には新たに株式会社冬寂を設立し、CGライブやインタラクティブコンテンツのデータ制作や企画、アプリケーション開発を行う。制作協力した案件は「Lady Gaga's artRAVE: The ARTPOP Ball オープニングアクト、初音ミク(2014)」「Dr.コッペリウス 冨田勲追悼特別公演(2016)」「劇場版SAO公開記念「AR LIVE Technotopia SAO × “Wizard” Yoichi Ochiai」(2017)」など。現在は主に海外でのライブ映像制作をメインに活動している。また、開発したアプリケーション「MotionScore」はSXSW2016 ReleaseIt部門で、日本企業として初のファイナリストに選出されている。 |
第12回 7月 4日(水) |
鳴海 拓志 東京大学大学院情報理工学系研究科 講師 |
「コンテンツがあなたを作る」 体験が人の感覚や行動,そして心や思考を変えていく影響について,VRやARでの研究の実例を通じて議論する. |
第13回 7月 11日(水) |
襟川 陽一 コーエーテクモホールディングス 代表取締役社長 |
「ゲームの未来」 略歴:株式会社コーエーテクモホールディングス 代表取締役社長,株式会社コーエーテクモゲームス 代表取締役会長,公益財団法人科学技術融合振興財団(略称FOST) 理事長. 1978年に(株)光栄を設立し、代表取締役に就任。『信長の野望』『三國志』『真・三國無双』など、数々のヒット作品を世に送り出した。1990年、社団法人ニュービジネス協議会アントレプレナー大賞受賞。1991年、店頭市場に株式公開(現在は東証一部)。2010年に(株)コーエーテクモホールディングス代表取締役社長に就任。ゲームプロデューサー名は「シブサワ・コウ」。 |