技術とコンテンツ / Technology and Contents

東京大学工学部 機械情報工学科

令和2年度(2020) 開講概要

映像, メディア , コンピュータ・グラフィックス・デザイン, 建築設計など, 理系文系を問わず技術とコンテンツの両方に何らかの関わりがある, さまざまな分野でご活躍の方々から , オムニバス形式でお話をうかがう.

講義は遠隔開催とし,Zoomでおこなう.講義に対する質問もZoomのチャットで受け付ける.参加用のZoomのアドレスはUTASを参照のこと.

Twitterでの公式ハッシュタグは#技術とコンテンツ(講師がSNS投稿にNGを出さない回については積極的な投稿を期待しています.)

評価方法

全13回の講義中, 半数以上(7回以上)出席した者を有資格者として, レポートで評価を行なう.あらかじめ外部講師に対する(有意義な)質問をフォームに投稿した受講者には内容・回数に応じて相応の加点を与える(ただし加点希望の場合,投稿の際に投稿者の名前を含めること).レポートの締切,内容についてはオムニバス最終回にて告知する.

担当

日時・場所

日程・講師

第1回
4月 8日(水)
ガイダンス 「技術とコンテンツ」
講義全体の概要,オンライン講義と出席登録の方法等について説明する(初回のみ30分程度).
第2回
4月 15日(水)
伊藤 彰宏
バーチャル販売員 / ピクシブ株式会社 マーケティング戦略室 & VRoidプロジェクト・マーケティング責任者 / テレビ朝日『超人女子戦士 ガリベンガーV』ディレクター
「アバター×ビジネス」
ビジネスの”現場”におけるキャラクターモデルの活用事例とその分析について紹介する.
第3回
4月 22日(水)
青野 真士
Amoeba Energy株式会社 代表取締役社長 / 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任教授 / 慶應義塾大学大学院 理工学研究科 特任教授
「アメーバに学んだヤワラカいコンピュータとロボットで「モノの流れ」を革新する」
真性粘菌変形体は、環境に適応して自らの体を適切に変形させることで合理的な振舞いを実現することができるアメーバ状の単細胞生物である。この細胞の物理的な変形ダイナミクスは、センシング、情報処理、アクチュエーションといった複数の機能を同時に実現している。そこからは、環境から情報をセンシングし、エネルギーを取込み、効率良く処理や通信を行える、新たな小型・低消費電力のIoTデバイスの重要な設計指針が得られるだろう。本講演では、講演者を含む共同研究グループが進めてきた、粘菌アメーバのユニークな行動原理に着想を得た新たな技術パラダイムの確立に向けた研究の成果を概説したうえで、それらの事業化にむけたAmoeba Energy株式会社の取組みを紹介する。まず、粘菌アメーバの変形行動を光刺激により誘導することで組合せ最適化問題「巡回セールスマン問題」の解を探索させる実験システムである「アメーバ計算機」およびその解探索プロセスの数理モデルを紹介する。そして、「アメーバ型最適化アルゴリズム」と、このアルゴリズムをアナログ電子回路やデジタル電子回路により実装する「アメーバ型最適化コンピュータ」をコア技術として、次世代物流システムの革新を担う最適化コンピューティングの将来像を展望する。最後に、自在に変形する柔軟な素材を用いることで、未知の複雑な環境をも走破し荷物を運搬する仕事を担う「アメーバ型移動ソフトロボット」の製品開発の現状について述べる。

略歴:慶應義塾大学環境情報学部在学中から、生物の環境適応的な情報処理原理に学んだやわらかい計算システムの研究を志し、神戸大学大学院にて博士号(理学)を取得。以降、粘菌アメーバに着想を得た組合せ最適化コンピュータの開発を理化学研究所、東京工業大学地球生命研究所、科学技術振興機構さきがけ研究にて進め、2016年文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞。2017年慶應義塾大学環境情報学部准教授(定年制)に着任。約20年アカデミアにて国の公的予算で研究する中で、日本が真の意味で世界をリードするためには、産業構造を変える斬新な製品を自らの手で生み出すことこそ肝要と認識。アメーバ型組合せ最適化コンピュータとアメーバ型ロボットの研究開発を進め、次世代物流システムを開拓する製品を生み出すため、2018年1月 Amoeba Energy株式会社を創業。その後、Amoeba Energy事業への集中を期し、2019年度をもって慶應義塾大学准教授(定年制)職を退職する道を選択。2020年度より慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科/理工学研究科特任教授(任期制)に着任。

第4回
5月 7日(水)
石川 将也
映像作家・グラフィックデザイナー・視覚表現研究者
「映像手法の開発と視覚認知」
「どうしたらこんな映像が作れたのか」
この講義では、私がこれまでどうのように表現を作ってきたのかということ、具体的には「映像手法の開発」をテーマとしてお話します。

「どうしてこんな動きが見えるのか」「どうしてこんな気持ちが生じたのか」
また、私たちが映像を理解する際に深く関与している、人間の視覚認知の働きについても取り扱います。人間は今生きているこの世界を知覚するために、視覚を始めとする認知能力を発達させました。そしてその能力は、映像を解釈する際にも使われているのです。 普段なにげなく見ている映像も、この人間の視覚認知の観点からとらえなおすと、数々の驚きが潜んでいます。

主にこれまで作ってきた映像表現をお見せしながら、作りながら考えてきたこと、心理学から学んだこと、そしてそれを「映像の教育」に取り入れた試みといったことをお伝えしたいと考えています。

略歴:1980年生まれ。慶應義塾大学佐藤雅彦研究室を経て、2006年より2019年でクリエイティブグループ「ユーフラテス」に所属。科学映像「未来の科学者たちへ」シリーズやNHK Eテレ「ピタゴラスイッチ」「2355/0655」の制作に携わる。2020年独立。 代表作に書籍『差分』(佐藤雅彦・菅俊一との共著、美術出版社)、大日本印刷『イデアの工場』や「Eテレ2355」内『factory of dream』を始めとする「工場を捨象したアニメーション」、「Layers Act」(阿部舜との共作、21_21 DESIGN SIGHT 企画展「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」に出展)、「ねじねじの歌」「クッキー型の型の歌」(ピタゴラスイッチ)や「そうとしか見えない」「歩くの歌」(Eテレ2355)、ISSEY MIYAKE「#hellobaobao」「ISSEY CANVAS」プロモーション映像などがある。 2018年より武蔵野美術大学空間演出デザイン学科 非常勤講師。

第5回
5月 13日(水)
新山 龍馬
東京大学大学院情報理工学系研究科 講師
「フューチャーロボット」
やわらかさを積極的に取り込もうとするソフトロボティクスを主軸に、生物規範型ロボットやソフトロボット研究の動向を解説する。これからのロボティクスにつながるヒントとして取り上げるのは、人工筋肉で動く筋骨格ロボット、おりがみロボット、インフレータブルロボットなどである。また、研究者になる方法、大学教員とはどういう職業なのかについても触れる。

略歴:ロボット研究者。東京大学大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 講師。東京大学工学部を卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了、博士号取得。マサチューセッツ工科大学(MIT)にて研究員(コンピュータ科学・人工知能研究所、メディアラボ、機械工学科)を経て、2014年より現職。専門は、身体に根ざした知能、人工筋肉で動作する生物規範ロボット、およびソフトロボティクス。
第6回
5月 20日(水)
堺 大輔
チームラボ株式会社
「チームラボのデジタルアート・デジタルソリューション」
テクノロジーとクリエイティブの境界はすでに曖昧になりつつあり、今後のこの傾向はさらに加速していくでしょう。そんな情報社会においてチームラボはこれまで、サイエンス・テクノロジー・デザイン・アートなどの境界を曖昧にしながら、『実験と革新』をテーマにものを創ることによって、もしくは、創るプロセスを通して、社会にソリューションを提供してきました。
その過程で発見してきた知を共有させて頂きます。

略歴:1978年、札幌市出身。東京大学工学部機械情報工学科、東京大学大学院学際情報学府修了。大学では、ヒューマノイドロボットのウェアラブル遠隔操作システムついて研究。主に、ソリューションを担当。

第7回
5月 27日(水)
うめ(小沢 高広)
漫画家
「新人賞くらいなら突破できる物語の作り方2020」
日頃、消費することはあっても、なかなか作ることはない物語。作品ごとの制作手法を解説しつつ、物語を楽しむように、物語を作るためのワークショップを行います。

略歴:2001年『週刊モーニング』でデビュー。2010年『青空ファインダーロック』を日本人漫画家としては初めてAmazonにてセルフパブリッシング。2012年クラウドファンディングでWEB漫画『STEVES』の執筆資金を集める企画が、当時としては史上最速で目標金額を達成するなど、マンガとWebサービスを組み合わせた試みが多い。代表作『大東京トイボックス』は、マンガ大賞2012第2位、文化庁メディア芸術賞2013審査員推薦作、2014年テレビドラマ化。現在は、eスポーツの世界を描く『東京トイボクシーズ』などを連載中。
第8回
6月 3日(水)
葛岡 英明
東京大学大学院情報理工学系研究科 教授
「TBA」
TBA

第9回
6月 10日(水)
タグチ ヒトシ
演出家 / GRINDER-MAN代表 / 株式会社イッカク代表取締役
「ジャンルを横断してサバイブするアートコンテンツの、これまでそしてこれから」
わたしたち誰もが持っている身体。身体の表現価値はテクノロジーの進化とともに変容を遂げてきた。アートグループGRINDER-MANについて、ひらめきを形にしていった過程から現在進行中のプロジェクトそして裏話まで、これまでの軌跡そしてこれからの展望を紹介する。

略歴:1973年横浜市生まれ、1997年筑波大学芸術専門学群総合造形学科卒。演出・振付を駆使して生みだすのは「いま・ここ」の身体表現。国内および海外の劇場、美術館やアートフェスティバルでの舞台作品やメディア・アート作品の発表から、ライブツアーやプロモーションイベントの演出、R&Dコンテンツ制作から映像(PV、MV、CM)の振付およびキャスティングなど。2019年文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に体験型メディア・アート『HERO HEROINE』(東京都現代美術館(東京都)、長崎県美術館(長崎県)/2020年、4K・VR徳島映画祭(徳島県)、Taoyuan Arts center(台湾)/2019年)。文化庁芸術家海外研修でニューヨークに滞在(2016年)。
第10回
6月 17日(水)
磯田 和生
大日本印刷株式会社 マーケティング本部 アーカイブ事業推進ユニット ヒューマン・エンジニアリング・ラボ/主席研究員
「インタラクティブメディアの認知的、行動的な理解」
ルーヴル美術館やフランス国立図書館との共同プロジェクト「DNPミュージアムラボ」におけるコンテンツ開発、その基盤となる人間研究への取り組み等の事例より、DNPの情報コミュニケーションデザインへのアプローチを紹介する.

略歴:1996年九州芸術工科大学大学院博士前期課程修了.2017年九州大学大学院博士後期課程修了.博士(芸術工学).
1997年大日本印刷(株)入社後,GIS,CRM等をテーマにICTを活用したサービスの企画・デザインを担当.2009年よりルーヴル美術館やフランス国立図書館との共同プロジェクト,DNPミュージアムラボにてインタラクティブメディアを使った鑑賞体験の企画及びHCI研究に従事.現在,VR,デジタルアーカイブ等をテーマにユーザの認知的,行動的な理解による製品・サービスの開発及び研究を行っている.
第11回
6月 24日(水)
児玉 幸子
児玉幸子スタジオ / 電気通信大学 准教授
「枯れた技術とアート」
サイバネティック・セレンディピティ(Cybernetic Serendipity)展から半世紀。いまや、先端的技術から前近代的技術の間に存在する“かつて先端だった技術”は枯れ木の山か、廃墟か。技術的には最先端でなくても、そこは文化的には宝の山かもしれない。

略歴:アーティスト、電気通信大学情報理工学研究科准教授。2000年より、磁性流体のアートプロジェクト「突き出す、流れる(Protrude, Flow)」を開始。文化庁メディア芸術祭インタラクティブ部門大賞等受賞、個展・グループ展多数。近年、芸術のためのモーションセンサーシステムの開発を進めている。
第12回
7月 1日(水)
中原 崇志
建築家
「情報を空間化する」

略歴:1976年鹿児島県生まれ。建築アトリエ「有馬裕之+Urban Fourth」を経て、建築、インテリア、ミュージアムデザインの分野で活動。科学館や博物館の常設展示や企画展示の設計を中心としながら、建築の設計、インテリア、空間インスタレーションなど多岐に渡り取り組んでいる。
主な作品に、「21_21 DESIGN SIGHT会場構成」「日本科学未来館の常設展示」「上海万博日本産業館 INAXブース」「NHK放送博物館」「INPEX MUSUM」など 主な受賞歴として企画展「世界の終わりのものがたり」にて、SDA大賞・経済大臣賞や企画展「トイレ? 行っトイレ!~ボクらのうんちと地球のみらい」空間デザイン賞優秀賞等を受賞など
第13回
7月8日(水)
鳴海 拓志
東京大学大学院情報理工学系研究科 准教授
「コンテンツがあなたを作る」
体験が人の感覚や行動,そして心や思考を変えていく影響について,VRやARでの研究の実例を通じて議論する.

略歴:東京大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻准教授.博士(工学).JSTさきがけ研究者.バーチャルリアリティや拡張現実感の技術と認知科学・心理学の知見を融合し,限られた感覚刺激提示で多様な五感を感じさせるためのクロスモーダルインタフェース,五感に働きかけることで人間の行動や認知,能力を変化させる人間拡張技術等の研究に取り組む.