令和3年度(2021) 開講概要
映像, メディア , コンピュータ・グラフィックス・デザイン, 建築設計など, 理系文系を問わず技術とコンテンツの両方に何らかの関わりがある, さまざまな分野でご活躍の方々から , オムニバス形式でお話をうかがう.
講義は遠隔開催とし,Zoomでおこなう.講義に対する質問もZoomのチャットで受け付ける.参加用のZoomのアドレスはUTASを参照のこと.
Twitterでの公式ハッシュタグは#技術とコンテンツ(講師がSNS投稿にNGを出さない回については積極的な投稿を期待しています.)
評価方法
全12回の講義中, 7回以上出席した者を有資格者として, レポートで評価を行なう.あらかじめ外部講師に対する(有意義な)質問をフォームに投稿した受講者には内容・回数に応じて相応の加点を与える(ただし加点希望の場合,投稿の際に投稿者の名前を含めること).レポートの締切,内容についてはオムニバス最終回にて告知する.
担当
- 葛岡 英明 教授(情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)
- 新山 龍馬 講師(情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)
- 鳴海 拓志 准教授(情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)
日時・場所
- 令和3年度 [S1S2] 水曜日 3限(13:00-14:45)
- オンライン
日程・講師
| 第1回 4月 8日(水) |
葛岡 英明 東京大学大学院情報理工学系研究科 教授 |
「技術とコンテンツ」 講義全体の概要,オンライン講義と出席登録の方法等,およびCSCWとコンテンツ研究について紹介する. |
| 第2回 4月 14日(水) |
吉藤 健太朗 オリィ研究所 代表取締役 CEO |
「TBA」 TBA 略歴:高校時代に電動車椅子の新機構の発明に関わり、2004年の高校生科学技術チャレンジ(JSEC)で文部科学大臣賞を受賞。翌2005年にアメリカで開催されたインテル国際学生科学技術フェア(ISEF)に日本代表として出場し、グランドアワード3位に。 高専で人工知能を学んだ後、早稲田大学創造理工学部へ進学。自身の不登校の体験をもとに、対孤独用分身コミュニケーションロボット「OriHime」を開発(この功績から2012年に「人間力大賞」を受賞)。 開発したロボットを多くの人に使ってもらうべく、株式会社オリィ研究所を設立。自身の体験から「ベッドの上にいながら、会いたい人と会い、社会に参加できる未来の実現」を理念に、開発を進めている。ロボットコミュニケーター。趣味は折り紙。2016年、Forbes Asia 30 Under 30 Industry, Manufacturing & Energy部門 選出。 |
| 第3回 4月 21日(水) |
橋田 朋子
早稲田大学基幹理工学部表現工学科 教授 |
「Alternative Beings:「かもしれない」のテクノロジー」 工学的なモノづくりにおいて「かもしれない」をうむ不確実さ,曖昧さ, 不完全さはこれまでどちらかというと避けるべき事柄でした. しかし最近では, 不確実さや曖昧さが, 受け手にもたらす自律的な気付きが, 新たな価値として注目されつつあります. また対象を完全に制御するという考えから離れると, ものづくりにおいて規格化された人工物だけでなく自然物も材料や動力に, さらには共創相手となりうります. 本トークでは身近な対象の別の「かもしれない」在り方を示すAlternative Beingsというコンセプトに基づく研究や作品事例を紹介します. 略歴:早稲田大学基幹理工学部表現工学科 教授. 2003年東京藝術大学音楽学部楽理科卒業, 2008年東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学(博士, 学際情報学). 東京大学特任研究員, 早稲田大学 専任講師, 同准教授を経て2021年より現職.主な受賞は日本バーチャルリアリティ学会論文賞, 船井学術賞, 経済産業省Innovative Technologiesなど. 主な展示はMedia Ambition Tokyo, SIGGRAPH Emerging Technologiesなど. |
| 第4回 4月28日(水) |
小鷹 研理 名古屋市立大学芸術工学研究科(情報環境デザイン領域) 准教授 |
「身体変容空間の大海を潜る」 小鷹研究室がこれまでに扱ってきた多種多様な「からだの錯覚」の紹介を通して, 人間の身体変容認知が孕んでいる、広大で深遠なる潜在空間の一端を解説する。主に扱うテーマとしては、「弾力のある身体」「頭部最小自己」「幽体離脱(重力反転)」「ボディジェクト(身体のモノ化)」「身体の透視」「セルフタッチ錯覚」を予定している。 略歴:『からだの錯覚』を研究する小鷹研究室を2013年より主宰。研究テーマは、幽体離脱(重力反転)、身体の伸縮感覚、セルフタッチ、影・鏡・イラストによる所有感の変調など多岐にわたる。昨今、目まぐるしく刷新を繰り返すバーチャル・リアリティー(VR)技術を積極的に導入し、「具体的に体験可能なインタラクション装置」のなかで設計された一見すると異質な「からだ」のリアリティーを、様々な尺度で検証する。2019年に認知科学会より第7回野島久雄賞を受賞。? 近年の主なVR関連の発表に、手足が伸びる体験装置「Stretchar(m) 」(Siggraph Asia 2017) /「Elastic Arm Illusion」(Finalist in VR Creative Award 2018)/ 「Elastic Legs Illusion」(CHI 2020)、幽体離脱体験装置「Recursive Function Space」(Siggraph Asia 2017) / 「Self-umbrelling」(Siggraph Asia 2018)など。2019年、鏡とディスプレイを組み合わせたインスタレーション「ボディジェクト指向」が、第22回メディア芸術祭・アート部門の審査委員会推薦作品に選出され、同年アルスエレクトロニカのキャンバス展に出品。また、「ボディジェクト指向」より派生した錯覚「Bodiject Fingers」および「XRAYSCOPE」が、Best Illusion Contest of the Yearにおいて2年連続(2019-2020)でTop 10に選出。2020年11月には名古屋電映博2020として『注文の多い「からだの錯覚」の研究室展』を名古屋市・ナディアパークにおいて開催し、同展にて研究室特製の即席錯覚レシピ本『即錯23』を限定発表。 研究室の公式HP|http://lab.kenrikodaka.com |
| 5月 12日(水) | 休講 | |
| 第5回 5月 19日(水) |
劇団ノーミーツ 水落大,岐阜健太,きゅんくん |
「会わない劇団のつくり方」 劇団ノーミーツは「NO密で濃密なひとときを」をテーマに、オンライン演劇を主軸に活動する劇団。 昨今の状況下で新たなエンタメの形を模索すべく、一度目の緊急事態宣言直後の2020年4月9日に結成。演劇、映画、広告、イベント業界の若手クリエイターが結集し、これまでTwitterをはじめとするSNSに20作品以上の「140秒Zoom演劇」作品を投稿、累計再生数は3000万回を突破。長編リモート演劇として『門外不出モラトリアム』『むこうのくに』『それでも笑えれば』の3公演を上演し、有料チケット制ながら14,000人以上を動員。60th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSクリエイティブイノベーション部門ACCゴールドを受賞、文化庁メディア芸術祭 第24回エンターテインメント部門優秀賞受賞。 第2回長編公演『むこうのくに』以降、技術をつかった演出を多く取り入れ、新しい表現を作り続けている劇団ノーミーツのテクニカルディレクターの3人から、オンラインでの制約の乗り越え方、技術とコンテンツの繋ぎ方について、また個人の作品とノーミーツとの繋がりについて紹介する。 公式HP:https://no.meets.ltd/ 水落大 略歴:東京大学大学院 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 修了。新しい映像表現の研究と共にアート作品制作・舞台演出活動を行う。デジタル世界における人間らしさ、人間の創造性はどこへ向かうのかをテーマに、テクノロジーで人を描く映像作家。映像制作から空間演出、インスタレーション制作を多く手がけ、作品は国内外の美術館、イベント、カンファレンス(金沢21世紀美術館、日本科学未来館、Media Ambition Tokyo、SXSW、ECCV など)で発表している。2019 SXSW Art Program Finalists、2016 WIRED CREATIVE HACK AWARD 受賞、2015 茨城県北芸術祭作品選出。 個人HP:https://mizumasa.net 岐阜健太(鈴木健太) 略歴:愛知県出身1995年生まれ。2021年情報科学芸術大学院大学(IAMAS)メディア表現研究科修了。2019年筑波大学情報メディア創成学類卒業。表現の基底となるメディア装置を再開発するメディアクリエイター。個人制作とともに表現者を支える技術開発もおこない、「劇団ノーミーツ」テクニカルディレクター・ハードウェアエンジニアとして活動をおこなう。クマ財団1期生。第22回文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品選出。主な展示は、つくばメディアアートフェスティバル、SIGGRAPH Emerging Technologiesなど。 個人HP:https://kentasuzuki06.amebaownd.com/ きゅんくん(松永夏紀) 略歴:1994年東京都出身。高校生の頃に「メカを着ること」を目標にロボティクスファッションの制作を始めた。「人間とメカがゼロ距離で近づいた際に人は何を思い感じるのか?」を明らかにするため、「きゅんくん」名義で2014年よりファッションとしてのウェアラブルロボットの開発を開始。2015年テキサス「SXSW2015」にてウェアラブルアームロボット「METCALF」発表。同年 オーストリア「Ars Electronica Gala」招待出演。2016年ウェアラブルロボット「METCALF clione」を発表。同年 AKB48単独公演にて「METCALF stage」を3台稼働。2018年に修士課程に進学。修了後もATRの連携研究員として、ウェアラブルロボットと人のインタラクションの研究を進めている。 個人HP:https://kyunkun.com/ |
| 第6回 5月 26日(水) |
緒方壽人 Takram ディレクター/デザインエンジニア |
「コンヴィヴィアル・テクノロジー 人間とテクノロジーが共に生きる社会へ」 5/21に発売予定の拙著『コンヴィヴィアル・テクノロジー 人間とテクノロジーが共に生きる社会へ』についてお話しします。 人間は道具を使っているようでいて、実は人間が道具に使われている状況に陥っている現代社会。そうならないための、不足でも過剰でもない「ちょうどいい」テクノロジーとは? イヴァン・イリイチの提唱した「コンヴィヴィアリティ」をキーワードに、人間がこれからも持続的に共に生きていくためのテクノロジーについて考えます。この本は、Takramも研究に参加しているERATO川原万有情報網プロジェクトをきっかけに生まれました。専門領域に閉じず、自分の研究がどのような未来につながるのかといったビジョンをもつことはテクノロジーに関わる人にとっても今後ますます重要になると思います。 略歴:ソフトウェア、ハードウェアを問わず、デザイン、エンジニアリング、アート、サイエンスまで幅広く領域横断的な活動を行うデザインエンジニア。東京大学工学部卒業後、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)、LEADING EDGE DESIGNを経て、ディレクターとしてTakramに参加。主なプロジェクトとして、「HAKUTO」月面探査ローバーの意匠コンセプト立案とスタイリング、NHK Eテレ「ミミクリーズ」のアートディレクション、紙とデジタルメディアを融合させたON THE FLYシステムの開発、21_21 DESIGN SIGHT「アスリート展」展覧会ディレクターなど。2015年よりグッドデザイン賞審査員。 |
| 第7回 6月 9日(水) |
松井 悠 株式会社グルーブシンク. 代表取締役 |
「『eスポーツの未来』と『未来のeスポーツ』」 デジタルゲームを競技として捉えるカルチャー、「eスポーツ」。15年にわたって、国内外のeスポーツシーンに携わってきた松井悠が、デジタルゲームというコンテンツを利用して、創り上げられるコンテンツ、eスポーツにはどのような技術が利用されているのか、そしてこれからのeスポーツはどのように進化していくのかについてお話をしていきます。 略歴:株式会社グルーブシンク代表取締役、NPO法人国際ゲーム開発者協会(IGDA)日本理事。 『Red Bull 5G』、『World Cyber Games』、『International E-sports Festival』などの大規模イベントをはじめ、ゲームコミュニティの構築、プロモーション企画、ゲーム開発イベントの運営など、「ゲームを作ること以外はなんでもやる」チーム groovesync gaming を率いる。著書に『デジタルゲームの教科書』、『デジタルゲームの技術』がある。 Twitter https://twitter.com/yumatsui |
| 第8回 6月 16日(水) |
吉野 弘一 凸版印刷株式会社DXデザイン事業部 技術戦略センター 情報技術研究室 |
「HCI研究をいかに社会実装するか?」 多くのヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究は、日常の様々なコンピュータインタラクションシーンを対象に、新規のアイデアや技術の社会実装を目指している。そこでは、より実践的な場面での検証が求められるが多くの障壁もある。凸版印刷では2012年以来、博物館での文化財鑑賞支援、小売店での買い物支援を対象にフィールドスタディを中心としたインターフェイス技術の研究開発を進めてきた。本講義では、当方の事例を紹介しつつ、HCI研究開発物の社会適用時の課題と発見を共有したい。 略歴:デジタルミュージアム、タンジブルインターフェイス開発に従事するリサーチエンジニア・インタラクションデザイナ。2003年凸版印刷入社~2011年まで国内外博物館向けの文化財展示VRコンテンツ制作に従事、2012年~現在までインターフェイス、インタラクションデザイン研究開発に従事。 慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了(2003).MIT MediaLab客員研究員(2018-19). |
| 第9回 6月 23日(水) |
齋藤 一哉 九州大学芸術工学院 講師 |
「イメージング技術と生物模倣工学」 生物模倣工学は生物が進化の過程で手に入れた技術的な解を教えてもらうことでトップダウン式のイノベーションを可能とする.そのためには生物の形態だけでなく進化・生態まで含めた深い理解が必要であり,実際に生きた姿を観察することが特に重要である.本講演で昆虫を対象とするハイスピードカメラやマイクロCTスキャンを使ったイメージング技術を中心に生物模倣工学における観察フェーズを実践する方法を解説するとともに,講師がこれまで取り組んできた生物模倣工学の事例について紹介する. 略歴: 2007年京都大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻修士過程修了,2009年東京工業大学大学院理工学研究科機械物理工学専攻博士後期課程修了, 2012年東京大学生産技術研究所機械・生体系部門 助教,2017年東京大学大学院情報理工学系研究科 特任講師(ERATO川原万有情報網プロジェクト), 2019年九州大学大学院芸術工学研究院 講師.折紙の数理や生物模倣に基づく先進構造材料の開発に取り組む |
| 第10回 6月 30日(水) |
新山 龍馬 東京大学大学院情報理工学系研究科 講師 |
「フューチャーロボット」 やわらかさを積極的に取り込もうとするソフトロボティクスを主軸に、生物規範型ロボットやソフトロボット研究の動向を解説する。これからのロボティクスにつながるヒントとして取り上げるのは、人工筋肉で動く筋骨格ロボット、おりがみロボット、インフレータブルロボットなどである。また、研究者になる方法、大学教員とはどういう職業なのかについても触れる。 略歴:ロボット研究者。東京大学大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 講師。東京大学工学部を卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了、博士号取得。マサチューセッツ工科大学(MIT)にて研究員(コンピュータ科学・人工知能研究所、メディアラボ、機械工学科)を経て、2014年より現職。専門は、身体に根ざした知能、人工筋肉で動作する生物規範ロボット、およびソフトロボティクス。 |
| 第11回 7月 7日(水) |
冬乃 郁也 漫画家 石田 絵里 小説・マンガ編集者 |
「BLとVRの親和性を考える ~身体性の拡張から,精神性の拡張へ~」 冬乃郁也 略歴:2001年TL(ティーンズラブ)アンソロジーでデビュー、その後BL作品を中心に、レポート漫画、映画のコミカライズなどジャンルを問わず活動中。 現在、フロンティアワークス 雑誌Dariaにて「まなざしは蝶の蜜~バタフライ・アイズ~」(原作 崎谷はるひ)、集英社 BLアンソロジー君恋にて「アウト・オブ・ザ・ブルー」連載中。 代表作:ダリアコミックス バタフライキスシリーズ「くちびるに蝶の骨~バタフライ・ルージュ」(原作 崎谷はるひ) 石田絵里 略歴:大学卒業後、新書館にて十年ほど勤務したのち、退職してフリーランスに。 専門学校においてマンガ講師の経験も有り。 |
| 第12回 7月14日(水) |
鳴海 拓志 東京大学大学院情報理工学系研究科 准教授 |
「コンテンツがあなたを作る」 体験が人の感覚や行動,そして心や思考を変えていく影響について,VRやARでの研究の実例を通じて議論する. 略歴:東京大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻准教授.博士(工学).JSTさきがけ研究者.バーチャルリアリティや拡張現実感の技術と認知科学・心理学の知見を融合し,限られた感覚刺激提示で多様な五感を感じさせるためのクロスモーダルインタフェース,五感に働きかけることで人間の行動や認知,能力を変化させる人間拡張技術等の研究に取り組む. |