令和7年度(2025) 開講概要
映像, メディア , コンピュータ・グラフィックス,デザイン, 建築設計など, 理系文系を問わず技術とコンテンツの両方に何らかの関わりがある, さまざまな分野でご活躍の方々から , オムニバス形式でお話をうかがう.
講義は基本は遠隔開催とし,Zoomでおこなうが,講師の希望により対面でおこなう回がある.対面開催回については下記日程表に(対面)と明記してあるため確認されたい.講義に対する質問もZoomのチャットで受け付ける.参加用のZoomのアドレスはUTASを参照のこと.
X (Twitter)での公式ハッシュタグは#技術とコンテンツ(講師がSNS投稿にNGを出さない回については積極的な投稿を期待しています.)
評価方法
全13回の講義中, 8回以上出席した者を有資格者として, レポートで評価を行なう.レポートの締切,内容についてはオムニバス最終回にて告知する.
担当
- 葛岡 英明 教授(情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)
- 鳴海 拓志 准教授(情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)
- 中嶋 浩平 准教授(情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)
日時・場所
- 令和7年度 [S1S2] 水曜日 3限(13:00-14:45)
- オンライン / 対面 (対面授業の回は下記日程表で対面と書かれている
対面の場合工学部2号館212講義室で実施する.
日程・講師
| 第1回 4月 9日(水) |
葛岡 英明 東京大学大学院情報理工学系研究科 教授 |
「技術とコンテンツ」 講義全体の概要,オンライン講義と出席登録の方法等,およびCSCWとコンテンツ研究について紹介する. |
| 第2回 4月 16日(水) |
武井 祥平 nomena 創設者 / エンジニア |
「TBA」 TBA 略歴:TBA |
| 第3回 4月 23日(水) |
Tom Froese Embodied Cognitive Science Unit, OIST Associate Professor |
「How do we make meaning matter?」 How do we ensure that meaning-bearing aspects of agency make a measurable difference to behavior generation? We will consider a test for candidate theories, the “participation criterion”: End-directedness of a behavior entails that, in principle, it is distinguishable by measurement from one without end-directedness. But how so? We will evaluate the possibility that end-directedness will show up in measurement as a local increase in unpredictability of physiological dynamics, which has the global effect of stochastically nudging the organism to the end state. 略歴: Dr. Tom Froese is Associate Professor at the Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University (OIST), where he heads the Embodied Cognitive Science Unit (ECSU). Before 2019 he was faculty at the National Autonomous University of Mexico (UNAM), where he headed the 4E Cognition Group. Froese completed his Doctorate in Cognitive Science at the University of Sussex in 2010, and his Master’s in Computer Science and Cybernetics at the University of Reading in 2004. Froese’s research encompasses theoretical, computational, and experimental approaches to life, mind, and sociality. |
| 第4回 5月 7日(水) |
中嶋 浩平 東京大学大学院情報理工学系研究科 准教授 |
「タコ腕計算機:やわらかいマテリアルの情報処理能力について 」 Reservoir Computing (RC)は、リカレントニューラルネットワークの研究により発展してきた機械学習法・情報処理手法の一つである。この手法では、ネットワーク内部の結合を調節せずにリードアウトの結合のみを最適化するため、任意の大自由度力学系を情報処理に活用することが可能となる。この点に着目し、近年、物理系のダイナミクスを情報処理デバイスの一部として活用する手法である、Physical Reservoir Computing (PRC)の研究が盛んに行われている。この技術は、物理系自体のダイナミクスが計算資源として活用できるため、エネルギー効率の向上ならびに計算労力の削減が期待され、次世代ニューロモーフィックデバイス技術として注目を集めている。本発表では、特に、この技術がやわらかいマテリアルでできたロボット(ソフトロボット)と組み合わされるとき、極めて有効に、その物性特有の威力を発揮することを見ていく。特に、タコ腕計算機の実装例を通して、やわらかいマテリアルの多様なダイナミクスは、それ自体が計算機として活用でき、制御を埋め込むことができることを示す。また、より一般的な見地から、PRCの手法の可能性についても議論する。 略歴:2009年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。以降,チューリッヒ大学、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)にてポスドク、JSPS海外特別研究員を経て、2014-17年まで京都大学白眉センターにて特定助教。また、2015-19年までJSTさきがけ研究員(兼任)。2020年より,東京大学大学院情報理工学系研究科にて准教授。専門は非線形力学系、(物理)リザバー計算、身体性ロボティクス、ソフトロボティクスなど。 |
| 第5回 5月 14日(水) |
近藤 亮,清川 瑛資 ユーフォーテーブル有限会社 |
「"三方良し"のアニメを生み出すためのワークフロー構築」 アニメーション制作は、正解の定まらない芸術的な営みであると同時に、その作品を持って商売を行うためのビジネス上の商品の創造でもあります。 また別の見方をすると、陶芸や絵画のように一人の作家が作るもの・作り方を決める芸術作品に対して、商業アニメーションでは100名を超える人間が分業制のもとに携わる、大量生産型の工業製品のような性質も持っています。 日本でTVアニメ産業が勃興してから60年余りが経ち、デジタル技術の進展や文化の変容が目まぐるしく起きていく中で、今では1クールあたり40~50本の作品が放送されるようになりました。 その中で大きなインパクトを持つ作品を、どのようにして生み出そうとしているのか。ビジネス上の目的とクリエイティブ上の目的を共に達成するための「制作ワークフロー」と、それを支える「エンジニアリングの利活用」という側面からお話させていただきます。 今回の話し手は絵は描けません。しかし絵を描かない多くの人の力によってもアニメーション制作が支えられていること、そして現在のアニメーション制作の裏側にはテクノロジーの恩恵(と代償)があることも、是非この機会に知って頂けたらと思います。 ユーフォーテーブル有限会社:2000年10月設立のアニメーション制作会社。アニメーションの企画/制作のほか、自社作品のグッズの企画・デザイン・販売やコラボ飲食店、映画館の経営などを行っている。また、アニメ制作現場におけるテクノロジー活用とシステム管理に関する各社の導入事例や課題感を共有し、問題解決や人材育成など更なる業界発展を目指す「一般社団法人アニメシステムコミュニティ」を株式会社ワコム・株式会社カラーと共同発起、運営している。 代表作として「劇場版 空の境界」(2007)や「Fate/zero」(2011)、「鬼滅の刃」(2019)など。 |
| 第6回 5月 21日(水) |
大脇 大 東北大学工学研究科ロボティクス専攻 准教授 |
「Motion Hackingから紐解く生物の適応能」 生物は,予測不能的に変動する無限定環境においても,歩く,泳ぐ,翔ぶなど,さまざまな移動様式を巧みに使い分け,しぶとく動き回る(ロコモーション)能力を有している.この適応能力解明の「鍵」は,脳・神経系,身体,環境を含めた3者間の相互作用力学(身体性)にあるが,非線形かつ複雑系であるため,その機序は未解明である.本講義では,私たちが「Motion Hacking」と呼ぶ手法を用いて,生物ロコモーションの生成メカニズムの解明を試みるアプローチについて紹介する.この技術は,動物の本来備わっている感覚運動機能を損なうことなく,筋肉に電気刺激を与えて動きを操作する生きものの「サイボーグ」化技術であり,この視点から生物学的および人工的なシステムの制御メカニズムを探る研究の可能性について議論する. 略歴:2009年東北大学大学院工学研究科電気・通信工学専攻博士後期課程修了.同年,同大学助教,2011年東北大学電気通信研究所助教,2017年東北大学工学研究科ロボティクス専攻助教,2019年同専攻准教授,現在に至る.博士(工学).ニューロロボティクス,ニューロリハビリテーション,バイオハイブリッドシステムに関する研究に従事. |
| 第7回 5月 28日(水)(対面) |
高橋 良司 (公財)福島県観光物産交流協会 ホープツーリズムサポートセンター 所長 |
「AIマッチングによる旅トモづくり」 おそらくこの講義の中では一番ライトなテーマで、受講生の皆さんは?と思われるであろう。私は小学生の頃から松尾芭蕉の『奥の細道』を愛読し、旅が自分と社会にどのように役立つかを常に考え続けてきた。私の講義では、現在の旅行業界の課題点や高齢社会における旅行の果たす役割を踏まえ、AIマッチングサービスを活用し社会課題の解決に活かせないか、などいくつかの仮説についてお話しします。The personal is political、自分自身の課題を出発点として、旅行を深く考察し、いくつかの社会課題解決に繋げられるのではないかと考えました。私の講義ではインタラクティブな議論を行い、その議論を通じて皆様の探求の種になれば幸いです。 略歴:1969年盛岡市生まれ、中学3年までに沖縄を除く46都道府県への一人旅を敢行。1992年早稲田大学商学部卒、(株)日本交通公社(現JTB)へ入社。世界遺産検定マイスターやクルーズコンサルタントとして約50か国訪問(1995年に北朝鮮への渡航歴あり)。旅の有用性を様々な角度から研究中で、旅行による社会課題解決に取り組んでいる。現在は「考える」ことをメインテーマにした「ホープツーリズム」のサポートセンター所長として、(公財)福島県観光物産交流協会に勤務し、観光面で福島・浜通り地域の復興に従事。 |
| 第8回 6月 4日(水) |
成瀬 文博 株式会社エブリハ 代表取締役 |
「TBA」 TBA 略歴:TBA |
| 第9回 6月 11日(水) |
杉浦 裕太 慶應義塾大学理工学部 准教授 |
「生活環境拡張のためのフィジカルインタフェース」 本講演では,コンピューティングを生活環境に導入するためのアプローチとして,簡単に設置してすぐに使用可能なフィジカルインタフェースについて紹介する.話者は,特に柔軟素材の構造に起因する光応答性に着目し,それを活用した入出力機構の設計およびその応用に関する研究に取り組んできた.最近では,スマートフォンに内蔵された各種センサを活用することで,専用デバイスを用いることなく,生活環境における社会課題の解決を目指す取り組みも進めている.本講演では,これまでの研究成果を概観するとともに,即興的に用いるインタフェースがもたらす生活環境の拡張可能性について,具体的な応用事例や今後の展望を交えて議論する. 略歴:2013年,慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科博士後期課程修了.博士(メディアデザイン学).同大学特任助教,産業技術総合研究所特別研究員などを経て,2016年4月より,慶應義塾大学理工学部情報工学科助教に就任.2018年4月より,同専任講師,2020年4月より,同准教授.ヒューマンコンピュータインタラクションに関する研究に従事. |
| 第10回 6月 18日(水)(対面) |
木原 共 メディアアーティスト / ゲーム開発者 |
「TBA」 TBA 略歴:TBA |
| 第11回 6月 25日(水) |
山田 金鉄 マンガ家 小木 麻莉子 株式会社シュークリーム『FEEL YOUNG』『OUR FEEL』編集部 編集者 |
「読者は誰にときめいているのか?恋愛漫画におけるペルソナ(仮)」 TBA 山田 金鉄 略歴:2010年第79回手塚賞準入選受賞 2019年「あせとせっけん」連載開始(2021年完結) 2021年「かさねと昴」連載開始(2024年完結) 2022年「テレワァク与太話」連載開始(2023年完結) 第45回講談社漫画賞総合部門ノミネート |
| 第12回 7月 2日(水) |
飯田 史也 ケンブリッジ大学工学部 教授 / 東京大学工学系研究科 グローバルフェロー |
「AI時代のロボット・ラピッドプロトタイピング」 現代の人間社会ではロボット技術が必要不可欠な時代が始まり、日々の生活でも多くのロボットが活躍する様子を目にするようになってきた。しかし、AI人工知能の急速な発展とともに、ロボット研究者やエンジニアの開発手法や技術が劇的に変化している。本講義ではロボットシステムの研究開発の現状を分析するとともに、現在どのような技術が研究されているのかを紹介する。 略歴:英国ケンブリッジ大学工学部教授 東京理科大学工学部学士、修士取得(1999年)後、スイス・チューリヒ大学情報工学科にて博士課程修了(2006年、理学博士)。ドイツ・イエナ大学スポーツ科学学科での研究員、米国マサチューセッツ工科大学電子情報工学科でのポスドクを経て、2009年よりスイス・チューリヒ工科大学機械工学科にて助教の職に着任。その後2014年から英国ケンブリッジ大学に移籍し現在に至る。2024年より東京大学工学研究科グローバルフェローを兼任。専門はバイオインスパイアード・ロボティクスと呼ばれる生物とロボティクスの学際分野で、生物学で得られた知見をロボット技術の発展にどのように応用するかを研究している。これまでに昆虫のナビゲーション、脚式歩行ロボット、ソフトロボティクスなどの研究プロジェクトに従事。 |
| 第13回 7月9日(水) |
鳴海 拓志 東京大学大学院情報理工学系研究科 准教授 |
「コンテンツがあなたを作る」 体験が人の感覚や行動,そして心や思考を変えていく影響について,VRやARでの研究の実例を通じて議論する. 略歴:東京大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻准教授.博士(工学).バーチャルリアリティや拡張現実感の技術と認知科学・心理学の知見を融合し,限られた感覚刺激提示で多様な五感を感じさせるためのクロスモーダルインタフェース,五感に働きかけることで人間の行動や認知,能力を変化させる人間拡張技術等の研究に取り組む. |