Research Introduction of
Kunihiro Nishimura, Ph.D.

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情報の可視化と情報生物学の研究

ゲノム情報解析

ゲノム情報解析として,ゲノム情報,特にマイクロアレイのデータ(遺伝子発現量情報やコピー数データ)について解析をしています. 具体的には,当研究室(ゲノムサイエンス部門 油谷研究室)で実験されているAffymetrix社のGeneChipにより算出される情報を取り扱っています. 発現量情報やコピー数情報といったデータが,ガンや正常組織サンプルから取得され,大量の情報セットになっているのが現状です. これらの蓄積されてきた情報の中から,生物学的解釈をし,意味を取り出す作業が解析には必要になってきます. 私はコンピュータを利用したアプローチ,特に可視化を中心としたアプローチによって情報解析および情報把握をできるような仕組みを作っていきたいと思っています. 主なトピックとして,複数の種類のデータを一緒に統合して一つの可視化環境内で見せる手法や,スプライシングや転写などの関係といった生物学的解釈をする際のサポートができるようにするアルゴリズムなどのを考えています.

ゲノム情報の可視化

大量の情報を直観的に扱うためには,情報の可視化が有効ではないか,と考えています. これは,全体像と詳細像を両方提示することによって,両者の関係や,情報自体の把握が容易になるためです. 特にインタラクティブな情報の可視化は,情報を解析する際に有効であろう,と思っています.
これまでに,様々なタイプのマイクロアレイのデータを統合する,インタラクティブなゲノムビューワを作成してきました. このビューワを利用することで,シームレスに染色体全体像から塩基対レベルまでズームインおよびズームアウトが簡単な操作で行うことができるようになります. また,LOH(ヘテロ接合性消失)と呼ばれるゲノム上の対立遺伝子の一部分が消失する事象を可視化するビューワも作成してきました. これにより,たとえば肺ガンの事例などにおいて,LOHの起きる場所が偏りのあることなどが見て取ることが一目で可能となりました.
visualization of LOH

インタラクション履歴や作業履歴を自動的に可視化する仕組みの研究

このプロジェクトは マイクロソフト産学連携研究機構 からの支援を受けています.
大規模データの検索や解析時の作業支援のために,インタラクション履歴や作業履歴を自動的に可視化する仕組みの研究を行おうとしています. 履歴を作業プロセスのレベルに応じて可視化を行うことで,履歴へのアクセスおよび試行錯誤を可能にさせることができると考えています. このことにより作業記憶への負荷を減らし,全体像と部分の把握をより容易にさせ,思考支援可能なシステムを提供することができると期待しています.

VR技術を利用したゲノム情報の可視化

研究の内容は,バーチャルリアリティ(Virtual Reality)の技術をゲノムサイエンス(Genome Science)分野に応用することです. ヒトゲノムの塩基配列がすべて解読され,遺伝子機能解析の段階,ポストゲノムの段階となった現在,膨大な遺伝子情報をどう解読していくのかが問題となっています. そこで,私は可視化という手法を用いて,解読作業の支援となるシステムの構築を目指して研究を行っています.
遺伝子発現量をそのテーマとして,いかに「情報の可視化(infomation visualization)」をするか,いかに表示するか,いかに解析するか,などについて研究をしています.
主に没入型多面ディスプレイ(IPT: Immersive Projection Technology)であるCABINを用いて,遺伝子情報の可視化および解析のための作業空間を構築することなどを研究しています. ゲノム情報を取り扱う部分は,「バイオインフォマティクス(bioinformatics)」,「情報生物学(computational biology)」といわれている分野に含まれており,可視化や作業空間の構築の部分は,「情報の可視化」や「バーチャルリアリティ」の分野に含まれていると思います.
VEGAS