Takuji Narumi

WORKS

  • Meta Cookie


嗅覚や味覚は「化学的な信号」を扱うという難しさがあるため、これまで味覚を用いた情報提示は研究があまりなされてこなかった。一方で,味覚は化学的な信号だけでどのように感じるかが決定されるわけではない。舌で感じた化学信号と見ためや匂い,触感,記憶などが脳内で統合されることで,認識される味(=「風味」)は決定される.そのため,味覚情報を提示する際に味覚以外の感覚を付随提示し、味覚の元となる化学信号は変えずに付随情報だけを変化させることで味の認識だけを変化させることができると考えられる。
「Meta Cookie」は、クッキーに対し、視覚情報と嗅覚情報を重畳することで、クッキーの「風味」を変化させ、食べる人が受け取る味の認識を変化させるシステムである。カメラによって認識可能なマーカのついたクッキーに、HMDを使ってさまざまなクッキーの写真を重畳表示し、さらに嗅覚ディスプレイによって匂いを付加する。この見た目と匂いの変化によって、体験者が食べたときに感じる味が変化する。体験者はインタラクションによってARクッキーに重畳する匂い・写真を選ぶことができ、好みの味のクッキーを食べることができる。